天乃巌戸開き
古く神代の昔、弟神素盞鳴尊の高天原での暴挙に姉天照大御神それまでの我慢にとうとう御身を天乃巌戸屋にお隠しになられ世は闇となった。
この事に困り果てた八百萬の神々は天の安河にお集まりになられ協議をなされた。
その結果、思金神の考えにより、まず常世長鳴鳥を集めて鳴かせ天宇受売命に大層派手な踊りを踊らせた。
その仕草に神々はドッと笑われたので巌屋の中の大御神は「私が中にいて外は闇であるはずなのに皆は何故愉快に笑っているのか」と不思議に思われ巌屋の戸を少し開け天宇受売命に事情を問われた。
すると命は「貴方様より尊き御方がおわします。」と申し上げたところ、大御神は少し身を乗り出されたので、すかさず巌戸の脇に隠れていた天手力男神が御手をとって外へお引き出し申し上げた。
すると闇夜の天地は再び光明が戻り明るくなったという。
神話の中ではもつとに有名な馴染みある物語である。 |