十市中殿垣内地車

 
姿見
制作 :江戸末期  大工:不詳  彫師:相野伊兵衛直之
 
  ↓ 大屋根妻正面枡合:如意宝珠を握る清龍
  ↓大屋根枡合:清龍
  ↓小屋根四屋根
  ↓小屋根妻正面車板:瑞雲  見送り三枚板:張果老(ちょうかろう)と費長房(ひちょうぼう)瑞雲
 ↓地車向かって右平三枚板:鄭思遠(ていしおん)
ある日、夫婦の虎が二匹の子虎を儲けたが、母虎は射殺され、父虎はこれに 驚き逃げ、子虎だけが残った。
鄭思遠はこれを不憫に思い、子虎を飼うことに した。
これを見ていた父虎は鄭思遠のところに現われ、立ち去ることはなかった。
鄭思遠は移動時に、父虎に乗り、子虎には仙薬や衣服を担がせた、という。
 ↓地車向かって左平三枚板:琴高仙人(きんこうせんにん)
この仙人は、中国周の時代の人で、琴の名手。
長寿の仙術を行って800年も生きたと言われています。
ある時、龍の子を捕らえて見せると弟子たちに約束して川の中に入り、約束の日に大きな鯉に乗って現れ、人々を感嘆させました。
  ↓地車向かって右平脇障子
傘風子(さんぷうし)
傘に乗って天の河を渡る仙人瑞雲
  ↓地車向かって右平角障子:蝦蟇仙人  蝦蟇(青蛙神)を従えて様々な妖術を使ったとされる仙人。
  ↓地車向かって左平角障子:李鉄拐(り てっかい)
中国の代表的な仙人である八仙の一人。
鉄拐とは、彼の幼名であるとする説や、足が不自由で鉄の杖をついていたためという説がある。
絵ではボロボロの服を着て足の不自由な物乞いの姿をしていることが多いが、もとはがっしりとした体格の道士であった。
  ↓板勾欄妻正面
  ↓板勾欄地車向かって右平
  ↓板勾欄地車向かって左平 
  ↓見送り土呂幕:黄石公と張良
漢の高祖に仕える張良は、ある夜夢の中で不思議な老人(黄石公)に出会い戦術の奥儀を伝授してもらう約束をします。
そこに出向くと老人はすでに来ていて時間に遅れたことをとがめ、五日後にもう一度来いと言って消え失せます。
張良が今度は早暁に着き、ついに願いがかなうと思っている所へ、威儀を正した老人が馬で急いでやって来て黄石公と名乗ります。
黄石公は張良が早く来たことを褒めますが、今一度彼の心を試そうとして、履いている沓(くつ)を馬上より川へと投げ落とす。
張良は、続いて飛んで下り、流れゆく沓を取ろうするが、そこに大蛇(龍)が現れて、沓を奪うと張良に襲いかかる。
張良は、冷静に剣を抜き、大蛇に立ち向かい、見事に沓を取り戻し、黄石公に沓を履かせた。
これに満足した黄石公は張良に兵法の巻物を授ける。
  ↓土呂幕右平前:下勾欄  後:飛龍
  ↓土呂幕左平前:下勾欄  後:飛龍
  ↓中殿垣内地車特徴其の壱:四本柱の中に木燈籠が有ります。
  ↓中殿垣内地車特徴其の弐
見送りと土呂幕の間が平側軒先鼻隠しに垂木その下に伊勢込みが施されています。
 
 
  ↓中殿垣内地車特徴其の参  台木の先が船首になっている。